11月に控えた桑名市議会議員選挙を前に、市政に関心を寄せる方々へ、学校再編に関する公開質問状(政策アンケート)をお送りしました。
回答期限は10月16日(金)で、集計が終わり次第、回答者ごとの回答原文や回答一覧を当ホームページ及びSNSなどで公表します。
回答内容を当会の判断で編集して趣旨を変更することはありません。
10月14日現在、33名中10名の方にご回答いただいていますが、公表は期限後に一斉に行います。
以下が質問内容です。
光風・正和中学校区における先行検討と学校規模
A. 両校区から具体的な検討を進めること
市はこれまで、地域説明会等において「地域から要望があったところから整備する」という趣旨の説明をしていましたが、市議会等で「要望が出なかったので、総合的に判断して、光風中学校区及び正和中学校区から具体的な検討に入る」という趣旨の説明をし、両校区における説明会・ワークショップ関連予算を計上しました。
質問1-A. 両校区を先行させる根拠の説明と進め方について、どのように評価しますか。
B. 光風中学校区で想定される約2,200人規模の学校
市の計画では、光風中学校区で2,234人(令和15年度)の学校規模が想定されています。小1から中3までの9学年で、仮に全学年を1学級35人として計算すると、全校で64学級相当の学校規模となります。文科省は31学級以上を過大規模校としています。
市は市議会や広報等で「望ましい学校規模とならない場合には、校舎の建て方や運営方法などを工夫して対応する」という趣旨の説明をしています。
質問1-B.この件について、どのように評価しますか。
防災拠点の維持と通学の安全
A. 廃校後の防災拠点機能
小中学校は災害時の避難所や地域防災の拠点として利用されています。学校再編により現在の学校が廃校となる場合、避難所機能、避難距離、受入人数などに影響が生じる可能性があります。
質問2-A.市は、廃校後の防災拠点機能について、地域ごとの具体的な計画を十分に示していると考えますか。
B. 学区広域化による通学リスク
学校再編により学区が広域化した場合、現在より通学距離や通学時間が長くなる児童生徒の増加が見込まれます。安全な通学路の整備には、国や県、警察などとの連携が不可欠です。
質問2-B.記録的な猛暑、豪雨・浸水、台風、地震等を想定した通学路の安全性、低学年児童の負担、避難経路、スクールバス等の代替手段について、市は十分な調査と対策を示していると考えますか。
計画策定プロセスと合意形成
市の計画原案や計画をめぐり、説明会アンケート回答547件、パブリックコメント283件、子どもの感想・意見316件が市に寄せられました。また、2026年3月には、紙とオンラインを合わせて6,092筆の要望署名が市に提出されました(9月18日時点の当会集計では累計10,470筆)。
質問3.子ども、保護者、教職員、地域住民に対する情報提供、双方向の対話、意見の計画への反映および採用しなかった意見への説明について、現在までの進め方をどのように評価しますか。
代替案の比較検討と財政への影響
学校施設の老朽化や児童生徒数の変化への対応には、施設一体型小中一貫校の新設・統合だけでなく、既存校の長寿命化、減築、小学校間の統合、通学区域の見直し、他の公共施設との複合化、小規模校同士の合同授業・学校間連携など、複数の選択肢があります。
市はパブリックコメント等で「総事業費については、建設時期、再編の順番によってその規模が大きく変わるため、現段階での試算は行っていない」「修繕費が年々増加する中、再編して新たな学校を建設する方が、長期的には財政負担の軽減につながる」と説明しています。
質問4.教育面、通学負担・安全面、防災面、地域への影響、整備費・維持管理費などを比較した資料や、中長期的な財政シミュレーションについて、市民が判断するために十分に示されていると考えますか。
多度学園の検証と事業の透明性
A. 多度学園の検証
桑名市初の施設一体型小中一貫校・義務教育学校である多度学園は、先行実施校という位置付けで2026年4月に開校しました。市はパブリックコメント等で「検証にかなりの期間を要するため、検証と並行して全市の再編計画を進める」という趣旨の説明をしています。
質問5-A.教育効果、児童生徒の状況、教職員の負担、通学負担・安全面、保護者・地域の評価、跡地の利活用、事業費・維持管理費などの検証を待たずに学校再編を進めることについて、どう評価しますか。
B. 事業者選定・契約・事業費の透明性
多度学園整備事業では、公募型プロポーザル方式で事業者を選定し、設計施工一括方式で発注されました。基準価格は約70.8億円、当初契約額は約78.8億円でしたが、その後の契約変更により第3回変更後の契約額は約91.9億円となっています。
本整備事業は桑名市監査委員による工事監査は行われていますが、桑名市入札監視委員会の審査対象とはされていません。
選定委員会は、大学教員3名と市の職員2名で構成されていました。
質問5-B.事業者選定の方法や発注方式、価格の妥当性、評価者の専門性・独立性、事後検証について、市議会・市民への説明、情報公開および第三者による検証は十分だったと考えますか。
全市一律の基本方針と義務教育学校化
A. 地域特性が異なる中での全市一律の方針
市内では、児童生徒数、施設の老朽化状況、地理的条件、通学環境、地域コミュニティ等が地域ごとに異なります。市は、説明会等で「全市において、中学校区を基本とした施設一体型小中一貫校・義務教育学校にする基本方針を変える予定はない」という趣旨の説明をしています。
質問6-A.地域ごとに違いがある中で、市内全域を共通の基本方針で再編することについて、どのように評価しますか。
B. 統廃合とは別に、義務教育学校を基本とすること
学校統廃合と義務教育学校化は別の政策判断です。そのため、通常の小学校・中学校と義務教育学校の場合で、教育効果、通学負担・安全面、児童生徒の発達段階の違い、教員負担、特別教室や行事の調整、特別支援学級、学童保育などについて、効果や課題を比較して検討する必要があります。
質問6-B.市は、義務教育学校を基本とする理由について、個別に十分な説明と比較検討を行っていると考えますか。
市議会議員の立場で必要と考える具体的な行動
質問7. あなたが桑名市議会議員のお立場であれば、桑名市立小中学校再編計画について、どのような姿勢で市政・市議会に臨みますか。
参考:国の考え方について
文部科学省は、2026年8月に改訂した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」において、一定の児童生徒集団を確保することが望ましいとする一方、学校規模の適正化は、児童生徒の教育条件の改善を中心に検討すべきものとしています。
・小中学校は、教育施設であるだけでなく、地域コミュニティ、地域の交流・学び、防災等の拠点でもあり、学校の統廃合は行政が一方的に進めるものではないこと。
・保護者や当事者である児童生徒の声を重視し、地域住民の十分な理解と協力を得ながら、丁寧に議論すること。
・31学級以上を過大規模校とし、速やかな解消を促すとともに、小中一貫教育による学校の一体化でも過大規模化しないよう教育的配慮を行うこと。
・地域の地理的条件やコミュニティの状況等によっては、小規模校を存続させる市町村の判断も尊重すること。
また、当会は2025年8月22日の文部科学省・こども家庭庁担当者とのオンライン面談において、学校統廃合と義務教育学校化は別の政策判断であり、それぞれについて丁寧な説明と合意形成が必要であるとの説明を受けました。
主な出典
文部科学省「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引(改訂版)」2026年8月5日
https://www.mext.go.jp/content/20260803-mtx_syoto02-000051341-1.pdf
桑名市「桑名市立小中学校再編計画」
https://www.city.kuwana.lg.jp/aratanagakko/saihen/saihen-an.html
桑名市「小中学校再編計画(原案)説明会アンケート(質問と意見)のまとめ」
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/12229/anke-to.pdf
桑名市「小中学校再編計画(原案)説明会 当日質疑応答」
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/12229/toujitsu-shitugioutou.pdf
桑名市「桑名市立小中学校再編計画(原案)こども用動画を見た子どもたちからの感想や意見」
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/12624/hp-202512-kodomonokoe.pdf
桑名市「桑名市立小中学校再編計画(案)に関するパブリックコメント結果」
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/12676/pabukomekaitou.pdf
桑名市「多度地区小中一貫校整備事業 審査講評」2023年1月31日
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/9941/shinnsakouhyou_s.pdf
桑名市 市議会全員協議会報告事項「多度地区小中一貫校整備事業」
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/9875/siryou_1_r5_1_11.pdf
桑名市「多度地区小中一貫校整備事業設計施工一括方式事業者選定アドバイザリー業務委託に係るプロポーザルの実施について」
https://www.city.kuwana.lg.jp/aratanagakko/shigoto/nyuusatsu/2-585-442-302-793.html
桑名市「監査公表第1号 令和8年4月27日」(多度地区小中一貫校整備事業)
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/1830/r7koukikekka.pdf
桑名市「令和7年9月定例会提出議案目録・全員協議会資料」
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/12007/12_zennkyouteiannsetumei250825.pdf
桑名の子どもと学校を守る会「学校統廃合の手引きと桑名市への政府見解」
https://kuwana-gakkou.com/2025/10/11/government/
桑名の子どもと学校を守る会「要望署名に対する教育委員会からの回答」
https://kuwana-gakkou.com/2026/05/03/response/
多度学園整備事業が桑名市入札監視委員会の審査対象外であることは、市議会議員を通じて確認。
