桑名市長、教育長、議長に宛てた、6000筆超えの要望署名。(ちなみに提出時はオンライン署名が約600筆でしたが、現在は2,000筆を超えています。紙の署名も追加で400筆以上届いているため、直近では7,800筆程度です。)
その署名に対する公式回答が、教育委員会からのみありました。
人格の完成を目指す「教育」、その教育機関を管轄する部署として、回答をいただけたことは高く評価する一方で、なお明確な説明が不足していると、私たちは考えています。そのため、追加の公開質問状を提出いたしました。
以下、全文を掲載いたします。
要望署名への回答を受けた、学校再編計画に関する追加確認
先般、当会が提出した要望署名に対し、貴教育委員会よりご回答を頂きました。しかしながら、現在の説明では、
・なぜ義務教育学校でなければならないのか
・なぜ全市一律で進める必要があるのか
・どのような場合に基本方針を見直すのか
・地域の声が意思決定にどの程度反映されるのか
について、なお明確な説明が不足していると考えます。
つきましては、以下4点について公開質問状として質問いたします。
なお、各質問について、該当する資料、議事録、比較検討表、シミュレーション資料等が存在する場合は、あわせてご提示ください。存在しない場合は、その旨をご回答ください。
本質問状およびご回答の有無・内容については、市民への情報共有のため、当会ホームページおよびSNS等で公開いたします。
2026年5月20日までに、メールにてご回答をお願いいたします。
1.「義務教育学校」でなければならない合理的な理由について
小中一貫教育の利点や成果は、他の施設形態や学校種でも実現可能だと考えます。実際に全国の義務教育段階の学校種のうち99%は「義務教育学校」ではありません。(※文科省「令和6年度学校基本調査」参照)
他の自治体では、義務教育学校を見直す動きも出ています。
こうした状況の中、なぜ桑名市は施設一体型の小中一貫校かつ義務教育学校一択なのか、以下をご回答ください。
1. 義務教育学校以外に比較検討した学校形態と、それらを採用しなかった理由
2. 義務教育学校により想定している課題やリスクと、それに対する具体的な対策
3. 義務教育学校でなければ実現できない教育効果と、それを裏付ける桑名市における検証結果や定量的根拠
抽象的な概念や表現ではなく、桑名市の実情に即した具体的な根拠をご説明ください。
2.「全市一律」で進める合理的な理由について
学校や地域ごとに、児童生徒数、施設の老朽化、通学距離、地理的条件、学校教育やまちづくりの課題とニーズは大きく異なります。全国的に見ても、「全市一律で義務教育学校にする」という学校再編は、一般的な進め方とは言い難いと考えます。
様々な選択肢の中から、地域ごとの実情に応じて個別最適を図るのではなく、全市一律で義務教育学校化することが最善であると判断した理由について、以下をご回答ください。
1. 地域ごとに比較検討した再編案の内容
2. 学区見直し、小学校同士の統廃合、長寿命化、個別建替え(減築含む)、他の公共施設との複合化等を採用しなかった合理的な理由
3. 全市一律で義務教育学校化することが最善と判断した根拠
4. 通学距離の増大、スクールバスの必要性、地域コミュニティへの影響、防災拠点の減少、過大規模校化等のリスクをどのように評価したのか
特に、各地域の条件が異なるにもかかわらず、同一方針を適用する合理的理由をご説明ください。
3. 基本方針を見直す基準について
本計画では「PDCAサイクルを回し、柔軟な見直しや改善を図る」とされていますが、説明会等では「全市一律で義務教育学校とする基本方針は変えない」との説明もされています。そこで、以下をご回答ください。
1. PDCAによる「見直し」には、全市一律で義務教育学校化するという基本方針そのものの見直しも含まれるのか
2. 含まれる場合、その条件は何か。多度学園の検証結果、建設費の高騰や金利上昇等の変化、児童生徒数の推移、地域住民からの要望など、具体的にどのような事態が発生した場合にこの基本方針を見直すのか。計測可能な判断基準をご説明ください
3. 基本方針の見直しは含まれない場合、「見直し」とは具体的に何を対象とするのか
市民が計画の妥当性を判断できるよう、具体的な判断基準をご提示ください。
4. 地域との合意形成について
文科省は学校統廃合の手引きの中で「行政が一方的に進める性格のものではない」「地域との合意形成が重要」と示しています。貴教育委員会も「地域の皆様と意見交換や協議などを丁寧に行う」と回答されています。一方で、「全市一律で義務教育学校とする方針は変えない」とも説明されています。そこで、以下をご回答ください。
1. 地域住民の多数が、義務教育学校ではなく小中分離や個別建替などを望んだ場合、市はその地域の意向を尊重し、基本方針を変えて計画を変更する可能性があるか
2. 変更する可能性がある場合、その条件や判断基準は何か
3. 変更する可能性がない場合、地域協議が意思決定に与える影響の範囲はどこまでか
4. その場合、地域協議は「合意形成」ではなく、既定方針を前提とした「説明・意見聴取」にとどまるものと理解してよいか、貴教育委員会の見解をご説明ください
地域との協議が、実質的な意思決定過程なのか、既定方針を前提とした説明の場なのかを明確にご説明ください。
以上、4点についてご回答をお願いいたします。
本計画は、教育環境だけでなく、通学の安全、地域コミュニティ、防災、まちづくり、将来世代の財政負担にも関わる重要な問題です。そのため、抽象的な理念や一般論ではなく、桑名市の実情に即した具体的な根拠、比較検討、判断基準を市民に示す必要があると考えます。
以上
