普通では考えられない!資金計画なしの学校造り

家を建てる時、誰でも資金計画は立てますよね?
もちろん最初は、相場もよく分からずに、情報収集をすると思います。

ですが、いざ検討する段階になったら、家計の収支や金利などの社会情勢も踏まえた上で、長期的に無理なく支払える範囲で、家づくりの計画を立てるのではないでしょうか?

もしそうでなければ、住宅ローンの返済で日々の生活が苦しくなってしまったり、最悪の場合、途中で支払えなくなり家を手放すことになってしまうからです。

では、なぜ新しい学校(それも大規模校)を建てようとする計画に、資金計画が提示されないのでしょうか?

目次

桑名市教育委員会の主張

いつどこから着手するか分からないため、費用の見積もりを出せない。出す意味がない。

ですが、資金的な裏付けがなければ、そもそも正しい方向性すら検討できません。
大規模校を造る費用と、既存の学校を修繕・長寿命化する費用の比較、財政への影響が不明確になるからです。

家造りの予算が2,000万円しかないのに、大手ハウスメーカーで注文住宅を建てようとしているのと同じです。

もしあなたが会社で、資金計画のない計画書を、社長に提出したら、まともに取り合ってもらえないか、怒られるのではないでしょうか?

資金計画が甘いと

「お金の計画は後で考えるから!」
そんな風に資金計画を蔑ろにしていると、多度学園のような異常事態になりかねません。

多度学園では、当初予算:53億円 → 今年1月時点で91億円超え

建設費はさらに上がる可能性があります。
そしてこの金額は、既存の学校の跡地活用費(解体修繕費)を含んでいません。

自分の家を建てる時に、工事が着工されてから、費用が1.7倍以上になると分かったら、恐ろしくないですか?

しかもこれがあと6校も続いたら、果たして市の財政はどうなってしまうのでしょうか??

不可解な「計画」

資金の裏付けや見通しがない「計画」は、計画ではなく、単なるアイデア/願望ではないでしょうか?

・建築費用は年々高騰しています。文科省は公立学校施設の建築単価を大幅に引き上げる方針で、RC造の小中学校校舎の場合、24年度 29.6万円/㎡ → 25年度35万4100円/㎡となる見込みです。

・この計画原案は、新型コロナ前の8年前に出された「あり方検討委員会」による答申を根拠にしています。ですが、コロナで社会は大きく変わり、不登校が急増し、学校のあり方も変わってきました。それなのに、コロナ前の答申を根拠にした計画で、本当に良いのでしょうか?

・義務教育学校へ再編すると、確かに交付金が優遇されます。ただし、それは5年程度の短期間で整備した場合の話です。桑名市の場合は、長期計画になるはずなので、当てはまりません。となると、費用面から見ても、既存の学校施設を長寿命化する改修をした方が、財政的にも負担が低くくなるのではないでしょうか?

なぜ資金計画を出したがらないのか?

桑名市は、計画策定前に、きちんと市民に下記のような資金計画や財政への長期的な影響を提示すべきです。

・全市一律で義務教育学校(施設一体型の小中一貫校)に再編した場合の資金計画
・桑名市の財政に与える長期的な影響や収支見込み

こうした情報があって初めて、少なくとも財政面で、計画の方向性が正しいかどうかを判断できるからです。

ですが、頑なにそれを拒んでいます。なぜでしょうか?

修繕や長寿命化対策をする場合の資金の見通しは出しているのに、
巨大な学校を新設する場合の見通しは全く出さない。

そこにはどんな理由が隠されているのでしょうか?

ハコモノ造りには、「政治と金」の問題が頻繁についてきます。

・合理的な理由や説明もなく、小中一貫校の新設ありきで強引に進めようとする姿勢
・学校を新設する場合の費用の見通しだけは提示したがらない姿勢
・多度学園の時は上限価格を設定せず、競争入札もせずに業者を選定している姿勢

こうした姿勢を考えると、桑名市の学校再編計画でも、裏の事情があると思えてなりません。

参照:「望ましい学校教育のあり方について」桑名市学校教育あり方検討委員会(2017年4月)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00154/02200/2014/12/02/1353511_01.pdf

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