義務教育学校のメリットとは?

目次

桑名市が主張するメリット

桑名市が計画原案の中で記載している義務教育学校のメリットは

・多様な価値観に触れられる
・児童生徒の交流
・教職員の連携
・9年間一貫した教育
・6:3制以外の自由な枠組み

です。ですが、そもそもこれらは本当にメリットなのでしょうか?

子どもの成長面、教育面、先生面、お金の面からメリットをご紹介します。

子どもの成長面

①クラス替えできる人数を保つ
 多様性 協調性を育める

→1クラスでも育める。事実、日本の小学校は、1学年1クラスの学校の方が圧倒的に多い。
 また、2〜3クラスまでなら理解できるが、例えば光風地区の場合、1学年7クラス規模が計画されている。人が多すぎるのはストレスになるし、不登校にもつながりやすい

②異学年交流による精神的成長

発達段階が大きく異なる小中学生が、毎日一緒に共同生活する必要性はあるのか?
保育園を出たばかりの幼児期後期の6歳の小さな子どもと、思春期・反抗期の中学生が一緒に生活するメリットはあるのか?中学生がお手本になる、という主張しているが、教育現場、子育ての現場を本当に知っているのか?

③「中1ギャップ」の解消

→「中1ギャップ」という概念自体が誤りであることを、国の教育機関が既に発表している。
 また、義務教育学校にしたら新たに「小5ギャップ」「小6ギャップ」が生まれた報告もある。

教育面

①先取りや 独自科目など柔軟なカリキュラムが組める

小学生年代で大事なのは、受験勉強よりも学ぶ楽しさや遊びを通じた学びでは?
 小中一貫校になることで、これまで中学校に入ってから学ぶべきこととされてきたものが、小5、小6段階にまで下ろされるケースが増えている。小中学校段階の教育の目的は、「学力」だけではなく、社会性などの「人格形成」や「人間的成長」にあるはずなのに、「学力」偏重の教育によってそれが阻害されてしまう。

②9年間一貫した教育を行える

現時点でも小中学校で 系統だった学習指導要領が組まれている。

先生面

①教職員の情報共有、連携の強化、資質向上への期待

会議や行事などの調整、すべきことが増え先生の負担が増える。
余計に多忙すぎて自己研鑽する余裕さえなくなるのでは?

②中学の先生が小学生に授業を行える

小学生に教えるのと中学生に教えるのでは教え方の技術やノウハウ、専門性が異なる。

お金の面

①学校数が減ることで、公共施設の維持・更新費用を抑えられる

→100億円規模の義務教育学校を何校も新設するより、既存の学校を賢く改修・長寿命化した方が抑えられるのでは?

②教職員数が減ることで、毎年の教育予算を抑えられる

教育こそ国の未来のための最優先すべき投資では?
 バス通学などの隠れたコストで予算が減らない ケースも多い。

このように、義務教育学校のメリットを1つ1つ精査していくと
桑名市のような学校規模、状況の場合、メリットと言えるものが果たしてあるのか疑問です。

過疎化や少子化が深刻な地域では、1つの手法としてありだとは思いますが・・・。

宮城県大崎市が出している「義務教育学校のメリット」
岡山県教育庁が出している「義務教育学校のメリット」
長野県南佐久郡が出している「義務教育学校のメリット」


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