市民参加で小中一貫校化を止めた
人口14.7万人、東京23区のベッドタウンでもある東京武蔵野市。
桑名市と人口規模や名古屋のベッドタウンという立地が似ている自治体の事例です。
武蔵野市では、「市民参加でより豊かな教育を創造すること」を一致点に、保護者や市民が立ち上がり、運動の輪を広げました。
その結果・・・
「中学校に相当する後期課程の規模や、
施設一体型校舎における児童・生徒の学校生活への影響のほか、
地域コミュニティ等に与える影響・課題や、防災上の課題、移行期間中の課題、
現状の児童・生徒数の増加や、施設設置上の課題、建設費用など、
本市の学校環境がおかれている現時点での状況を総合的に踏まえると、
本懇談会としては、すべての小学校区単位での
施設一体型小中一貫校(=義務教育学校)による小中一貫教育は
実施するべきではないと判断する。」
との結論を、市側が発表するに至ったのです!!
統廃合計画と背景
計画
・学校教育法改正を理由に、6つの中学校に小学校 2校ずつ統廃合する小中一貫校を設置
背景
・人口 14.7万人(人口、出生率ともに増加傾向)
・小学校での児童数増加
・中学では私立へ行く生徒も多い
市民の活動と成果
子供の成長発達のためではなく、学校統廃合が目的では?
小中一貫校の設置ではなく、市民参加でより良い教育を
活動
・「考える会」を結成し、交流学習会を開催
・小中一貫教育の研究者である、山本由美教授を2回講師に招く
・ニュースやチラシを作成して、市内の各所に配布
・教職員組合も、市教育委員会に申し入れ
成果
・説明会やアンケートに加え、意見交換会が24回開催される
・あり方懇親会が「義務教育学校による小中一貫教育は実施すべきではない」と判断
武蔵野市は検討の過程で、説明会の開催や「考える会」主催の学習会での説明のほかに、
意見交換会を24回開催し、小中学校では教職員への説明とアンケート、
子どもたちにも児童(小5)、生徒(中2)にアンケートを行っています。
市民の声を聞く姿勢とは、
こういうことを言うのではないでしょうか?
※桑名でも、小中一貫教育を長年研究されている山本教授から、教育学的な知見や全国での教訓を学びながら活動を行っています。
(参照:「小中一貫・学校統廃合を止める―市民が学校を守った」山本 由美 (著、編集))