桑名から小学校がなくなる前に!

桑名市 は現在の小中学校36校から、全ての小学校と明正中、成徳中を廃校にして7校だけに統合する 義務教育学校(小中一貫校)への再編計画を提示しました。

「私立の小中一貫みたいな感じでしょ?」「建物が新しくなるなら良いじゃん!」「どうせ10年以上先の話でしょ!」
なんて気軽に考えていませんか?実態は全く異なります!

小学校1年生から中学校3年生の子どもたちが、同じ施設・校舎で9年間も、1,000人~2,000人規模で一緒に過ごさないといけなくなるのです。そして、築50年以上の学校が半数以上で、大規模改修計画は立てられていないことを考えると、「市民の合意を得た」という体裁さえ整えられたら(実態ではなく)、すぐにでも計画を進めようとしているのです。

2025年5月31日から中学校区ごとに説明会が始まりますが、もし市民が声をあげなければ、このまま地域の小学校が全てなくなってしまい、あなたやお子さんが「こんなはずでは…」と大変な目に遭ってしまいます!!

桑名市の学校再編計画の3つの問題点

1.市民の声を聞いていない、市民にしっかり知らせていない
市民生活への影響がこれほど大きい計画にもかかわらず、再編の必要性と概要を伝えるだけで、生活への影響や先行事例、デメリットを伝えていない。本来であれば、学校や保育園・幼稚園に出向いて、保護者や子供、住民向けの説明会を行うべき。

2.義務教育学校ありきの理論
全市一律で義務教育学校(施設一体型の小中一貫校)に統廃合する、という、地域の実情を無視した計画。仮に統廃合が必要であっても、全市一律で義務教育学校にする必要性や住民・現場からの要望はどこにもない。小中一貫教育の利点は、現状の体制でも大半叶えられる。

3.多度学園の検証を待たずに計画を進めようとしている
来年開校することになった桑名市初の義務教育学校(施設一体型の小中一貫校)「多度学園」の効果検証を待たずに、計画を進めようとしている。事実、全国的には義務教育学校の「見直し」が進んでいる。(つくば市、大阪市など)

もし義務教育学校になると、どんなことが起こり得る?

学校が嫌になり、不登校児が増える!

  • 保育園/幼稚園を出たばかりの子どもが、大きな中学生と一緒に生活をしなくてはいけなくなる
  • イジメっ子や荒れた子に絡まれたり、悪影響を受けたり、被害に遭ったりするリスクが増える
  • 生徒数が数倍〜20倍以上に増え、子どもが馴染めず、授業についていけなくなる
  • スクールバス通学になり、乗り遅れた場合、親に送ってもらうか休むかしか選択肢がない
  • 下校のバスに乗り遅れないために、スクールカウンセラーへ相談する余裕がなくなる
  • 「小学校卒業」という節目がなくなることで、小5・小6に高学年の意識や成長の実感がなくなり、「中学校入学」が無くなることで、中学生になることへの期待がなくなる

授業が成立せず、学級崩壊も起きやすくなる!

  • 教師の数が削減され、子どもに目が行き届かなくなる、先生と生徒の信頼関係が育たない
  • 現場の教師の負担やストレスが増え、疲弊して休みがちになったり、退職したりしてしまう
  • 先生が不在で授業にならない、自習やiPad学習が続き、学校がつまらなくなる
  • 小中一貫校の場合、小学校と中学校の両方の教員免許が必要になるが、持っている人は非常に限られるため、教員不足が今まで以上に進む(今でも桑名市は教員が足りていないのに…)
  • 生徒数に対して校庭/体育館/図書室/音楽室などが足りず、教室で体育をやる事態になる

子どもが交通事故や熱中症などに遭いやすくなる!

  • 6歳の小さな子どもが、交通量の多い4車線の大きな道路を一人で渡らないといけなくなる(実際に多度ではこれからそうなる…)
  • iPadなどで重いランドセルを背負って、夏の炎天下に何十分も歩いて帰らないといけなくなる(今まで以上に学校が遠くなる)

放課後の遊び場や、地域クラブの活動場所がなくなる!

  • 学校が遠すぎて、放課後に学校の校庭で友達と遊んだりできなくなる
  • 校庭や体育館、特別教室が足りず、学校での部活動ができなくなる
  • 学校がなくなることで、校庭や体育館などを使った地域/スポーツクラブ活動の場もなくなる

700億円の負債のツケが、あなたの暮らしに回ってくる!!

  • 多度学園だけで総事業費100億円超え!今後全校行うと700億円かかる。その赤字を埋めるために、市民サービスの質/量が低下したり、無料のものが有料化したり、値上げされたりする(駐輪場、図書館、公民館などなど)
  • 学校が近く子育てしやすい環境だから住宅ローンを組んで家を買ったのに、不動産価値が下がる
  • 子育て世代(=働く世帯)を中心に人口が減少し、過疎化が進行する
  • 小学校も中学校も無い地域が沢山できるため、近くに避難場所や集まる場所がなくなる
  • 地域の最小単位が大きくなり過ぎ、住民同士が疎遠になる

他にもこんな問題が!義務教育学校の先生からの生の声

学校は子どもと地域のたからもの」より一部を抜粋して掲載します。

時間の問題

  • 小学校の休み時間が中学校の授業やテストに重なる。小学生は「静かにしないさい」と言われ休み時間に発散できず、中学生は騒音で集中できずにイライラする。
  • スクールバスは登下校と放課後の自由を奪う。気の合わない友達とも一緒に登下校する必要がありケンカやトラブルが増える。

施設の問題

  • 規模が大きくなるほど子供は不安を感じ、居場所を求めて保健室や図書室へ。でも、小さい子優先で中学生は後回しに。
  • 図書室は、中学生にとっては静かに読書する場所。賑やかな小学生がいると多感な中学生はイライラ。
  • 図書室などの施設を地域に開放すると、不審者や小児性愛者から子どもたちを守るのがより難しくなる。

学校行事の問題

  • 小学校の運動会と中学校の体育祭は似て非なるもの。どちらかに合わせると、どちらかの発達要求に応えられない。
  • 小学校の卒業式は、自分の成長を感じ、未来に想いを馳せる特別な機会。小中一貫では6年生の気持ちがついてこない。

子どものココロと成長の問題

  • 廃校による傷つきと荒れ。やり場のない怒りや不安、寂しさを子供たちは器物破損や大人不信、授業不成立で表現する。
  • 小6から中1への大きな飛躍の機会を逃す。小中一貫校では、中学生になることへの期待が薄れ、むしろ中だるみが起きる。

先行する義務教育学校や学校の統廃合で実際にあった例

つくば市では、義務教育学校に再編した結果、不登校児が急増。
今後は義務教育学校を増やさないことを決めた。

つくば市では前市長のもと4校の義務教育学校が作られたが、不登校児が急増。(2022年に茨城県の不登校率が全国トップに)そのため、新市長体制のもと効果検証を行った結果、教育上のメリットはほとんどなく、”児童生徒の精神的健康度に課題がある”、数多くのデメリットを上回るメリットはないと判断され、「今後は義務教育学校を作らない」と方針転換をした。

 また、大半の児童がバス通学となり、バス通学用に年間2億円の経費が発生。コロナやインフルエンザの流行時も財源がないという理由で増便できず。「詰め込みバス通学」は子どもにとって不便で負担なだけでなく、感染症流行時や災害時などに健康や安全が損なわれる懸念もある。


参考:つくば市教育長インタビュー 方針を転換「5校目の義務教育学校はつくらない」
山形県鶴岡市議会議員 加藤鉱一氏「つくば市では義務教育学校の分離すすむ」
つくば市 「小中一貫教育の成果と課題」
「学校は子どもと地域のたからもの」和光大学教授 山本由美・今西清・柏原ゆう子著

大阪では、学校の統廃合を苦に小5の子どもが自殺した痛ましい事件も。

2013年大阪府大東市では、「学校の統廃合中止を」という遺書を残し、小5の児童が鉄道自殺した。統廃合は単なる施設の効率化ではなく、子どもの心を深く傷つける可能性がある重大な決定

東京都久留米市では、学校を分割統合したところ、「荒れ」が発生。 高学年では学級崩壊、低学年では行き渋りが増加した。

高知県土佐清水市では、2013年に4校の中学校を強引に統合。学校の中がめちゃくちゃになるぐらいの「荒れ」が起きた

兵庫県丹波市青垣町では、5つの小学校を1つに統合。丹波市内の中で青垣町は著しい人口減少が発生し、町の衰退・過疎化が急速に進んでしまった。

100人アンケートの達成率

86 %